30歳になってもお互い独身だったら、結婚しようね
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一昨日、めったに鳴らない私の携帯が鳴った。ふと見ると、メッセージ。
大学時代に同じクラスだった男の子からだった。
「元気してる?」
普段から連絡があるわけではないので、即座にナニかあったのだ、とわかる。だいたいこういった昔の友達からの連絡は、結婚のご報告。
以前書いたように、私はバイセクシャルで、パートナーは女の子。一生日本で言う「結婚」は出来ない身なので、なんだか友人の結婚報告は扱いが難しい。おめでたいことなんだけど、少し複雑な気持ちになる。それに、結婚式に行って自分の近況を伝えるのも・・。いきなり、私、女の子と付き合ってるから!とその場でみんなに言うのもなんだか微妙だし・・。
そんなわけで、毎回報告を受けるとちょっとモヤっとした気持ちになってしまうのです。
そこでブワッと思い出したのは、このメッセージをくれた男の子との昔の記憶。12年前、私たちは大学生で、お互い彼氏・彼女がいた。私はまだストレートの頃で、同じサークルのセンパイと付き合っていたっけ・・・。
この男の子は顔がキレイで、私は「いざとなったら、なんかあるかも。あってもいいかも」とか、ズウズウしくも「ありか無しで言ったら、アリ」の立ち位置にカテゴライズしていた子。
でも結局、卒業までも、卒業してからもこの彼とはそういうことは無いまま。数年に一度会って、近況報告をする仲にとどまっている。
ただ、私は覚えていることがある。
あれは確か大学時代、仲間内でキャンプに行った時のこと。
みんなが寝静まって、私と彼とで缶ビールを飲みながら、真っ暗な森をみていた。虫の声。
「俺、こんな性格だから、たぶん一生独身だ」
みたいなことを彼がさっぱりと笑って言って、私も笑って、
「私も無理だ。きっと。」なんて、ダラダラとほろ酔いで話していた。
その時の流れで、私の口から出たのは良く聞くやつです。
「ねえ、このまま30歳までもしお互いが独身だったら、お互いもう恋愛結婚は諦めるってことで、私たち結婚しよう」
全然覚えてないけど、こんな感じのニュアンスだったと思う。諦めた先の結婚、っていう・・なんてネガティブな表現。私らしい。
はは、と薄く笑って、
「おー、約束だぞ」
といった彼。ほろ酔いのゆびきり。
そんな彼だったなあと、久々に来たそのメッセージをみて、思い出した私。
思い出しついでに、他の男たちの記憶も蘇る。
可愛いから、結婚してよ、年の差なんて関係ない、とせがんできた年下の男の子。
もう少し待ってくれたらプロポーズするつもりだった、と悲しい顔で言った別れ際の年上の彼。
行かないでくれ、と腕がちぎれるくらい掴んで涙を浮かべた彼。
みんなみんな、もう結婚してしまった。
私の数少ない、モテた遠い過去の思い出・・・。
そんな中唯一、このメッセージをくれた彼だけは独身を貫いている人。
別にナニかを期待してるんじゃなくて、同志のような、仲間のような。そんな親しみを感じるのです。
メッセージを返す。
「元気だよ。どうしたの?」
ついに結婚かな、と覚悟して待っていると、
「海外行く。アフリカに3年」
と返信!
念願の海外赴任が決まったそう。アフリカは意外だったみたいだけど・・・。
予想外の展開すぎてびっくりしてしまった。でも、結婚じゃなかったと聞いてなんだかホッとしている私。
アフリカに行くまでに、ご飯を食べようと約束する。
昔の若い約束の30歳はもうすぎてしまったけれど。
つぎは、60歳くらいで。
お互いパートナーがいなかったら、籍を入れようね、なんて、
コワイ約束を取り付けようか考えてしまう私でした。